相続のこと遺言のこと 2020年6月
自分で、家族で、終活のことを考えてみましょう―尊厳死・遺言・相続

新型コロナウイルスの影響で、今年の3月・4月からは自宅にいる時間が長くなりました。
書籍やwebからさまざまな知識を得るきっかけにもなっていると思います。
自宅にいる時間の長い今、自分のため、そして家族のために終活を考えてみませんか。

以前のコラムで新しい相続法について、下記のポイントを御紹介しました。
1. 配偶者居住権  短期/長期
2.夫婦間の居住用不動産の贈与
3遺産分割前の預貯金の仮払い制度の創設
4.遺留分算定における生前贈与の範囲
5.相続人以外の親族がおこなった療養看護による金銭請求(介護等の貢献)
6.遺留分減殺請求の効力の見直し
7.相続の効力等に関する見直し

上記の改正点にかかわらず、最近は40代の若いクライアントから遺言などの終活に関する御相談が増えてきました。
健康に不安のある方でなくとも、人間は出生してからその最期に向けて進んでいるのですから、準備は早めにすることが賢明です。
遺言は公正証書で作成しても後になって状況や考えが変われば、新しく作成しなおせば新しい遺言が有効になるものです。
法的に有効な文言などは専門家にお任せください。

他の傾向として、海外不動産の所有や、相続人が海外に在住している渉外ケースも増えてきています。
その場合には日本法が適用されるかどうかの確認が不可欠であり、注意を欠いたまま遺言作成/相続登記というわけにはいかない時代になりました。

以前から変わらない注意点としては、数十年前に亡くなった方の相続手続きをしていないことが頻繁にみられます。
例えば所有する土地の“昔の抵当権”の抹消手続きがされておらず、抵当権者がすでに死亡/連絡が取れない等のトラブルは解決までに費用や長い月日がかかります。
その間は最近に発生した相続手続きがおこなえないままという事です。

また、どなたにもお勧めしている『尊厳死宣言』の作成は、自分や家族が事故や病気で意思表示ができなくなった際の延命措置に関して、本人が望むようにするためには不可欠なものです。
近しい親族がいらっしゃる場合でも、実際の現場では問題が起きることがあるものです。
延命措置をしないでほしいという御希望があれば、医師が刑事責任に問われるおそれを回避するために、明確な文言で『尊厳死宣言』を作成しておきましょう。
当事務所では、webによくある雛型ではなく御本人の希望によって内容をととのえ、公証役場での公証までサポートいたします。

遺言作成、相続手続きなど御相談はお問い合わせページからどうぞ。