あらためて フリーランス新法と取適法

あらためて フリーランス新法と取適法
日本郵便がフリーランス新法違反で、公正取引委員会から本年9月2日に勧告を受けました。
郵便局が対象から除かれた調査の範囲ですら、380件の業務委託で契約内容を明示せず、そのうち140人については報酬の支払期日を定めず、(期日を定めないために)法律上の支払期日とみなされる役務提供日などまでに報酬を支払わなかった、という内容です。
今後、全国の郵便局を対象に調査する予定だそうですが、どのような結果になるでしょうか。
フリーランス法と取適法を混同している企業も多いようです。
以前にもコラムに書きましたが、フリーランス新法と取適法の違い。
1. フリーランス新法
2024年11月1日より施行
正式名称は「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」。
法の趣旨は特定受託事業者(フリーランス)の保護であり、
おおよその内容は下記の義務です。
・企業側に契約書面の交付や報酬支払い期限の明示などを義務付ける。
・委託する側の禁止行為を規定。
※第4条で、支払期日を定めていなかった場合は物品や成果物の受領日を支払日と規定されています。
■対象となるフリーランス
この法でいう[特定受託事業者]とは、次のいずれかに該当する事業者です。
① 個人であり、従業員を使用しないもの
② 法人であり、代表者1名以外に他の役員がなく、かつ従業員を使用しないもの
■罰則
公正取引委員会または厚生労働大臣から勧告を受ける(法第8条、第18条)
↓
勧告に従わない場合は措置命令と、社名などの公表(法第9条、第19条)。
↓
措置命令に違反した場合、報告または検査を不当に拒否した場合は「50万円以下の罰金」(法第24条)。
社名と違反の内容を公表されるのは、事業者としてはレピュテーションの失墜につながり、大きな損失です。
2. 取適法
2026年1月1日より施行
正式名称は「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律」
フリーランス新法とは適用対象が異なります。

義務の中の支払期日についても、第3条で、給付を受領した日から60日以内としなければならないと規定しています。
※「給付を受領した日」がポイントです。
納品を受けた日、サービスを提供された日、が定義ですから、よく見受けられる「末日締めの翌々月払い」という期日の決め方では60日を過ぎてしまうケースがあります。
特に御留意ください。
■罰則
勧告(併せて、事業者名、違反の概要などを公表する。)
↓
指導、助言
↓
虚偽の報告等の一定の場合には、50万円以下の罰金が課されることがあり得ます。
こちらも公表によるレピュテーションの失墜が大きな影響を生むでしょう。

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