尊厳死宣言のすすめ 

遺言、終活に関連して、昨日からのニュースで
気になるものが2つありました。
一つは厚生労働省の“人生会議”のポスター、
もう一つは東京消防庁が12月16日から運用開始予定の
“本人の意思による蘇生の中止”です。

人生会議の方は、啓蒙の内容と必要性は理解できます。
あとは表現方法の問題でしょう。

そして東京消防庁の新ルール。
運用開始後も「蘇生を望まない」が“本人の意思”であるか、
という点の確認のために複数のステップを踏むとのこと。

・本人が成人である
・家族がその証言をする
・かかりつけ医に確認する

等の確認手段を経てから、
蘇生を中止することができるようになるようです。

当事務所では
御本人の意思を尊重した“尊厳死”を選び、
その意思がいざという時に有効になるように、
『尊厳死宣言』の公正証書作成を承っています。
まずは御本人、御家族の意思を話しあっていただき、お互いに理解・納得しましょう。
web等でみかける雛形そのままを使うのではなく、
最期に延命措置を望むか否か、その内容はどのようなものか、を
詳細に確認し、御本人の希望を原稿にします。

厚生労働省HPより
「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」
厚労省以外の機関からもガイドライン等が公表されていますが、
未だに尊厳死に関する法制化はされていません。

延命措置をしないでほしい、という場面で障害になるのは
医師や医療関係者の法的な責任です。
生前に本人が延命措置を拒否したいと希望していたとしても、
その意思を証明するものが無ければ
遺された家族が医師や病院を訴えないという保証はありません。

そこで、御本人の意思の証明として
公証人が公証した『尊厳死宣言』を作成しておくことが有効です。

御希望に沿った原稿を、公証人が本人確認をして公証するものです。
謄本は必要な部数が発行されますので、
作成後に本人、御家族、かかっている病院があれば
そちらでも保管すると良いでしょう。