2022年の終活 遺言・相続
本年の年始は、2年ぶりに家族で集まれたという御家庭や、現実に帰省しなくとも家族でオンライン集合ということも多いでしょう。
このような機会に、年代にかかわらず御自分や家族のエンディング「いかに自分の希望を実現するか」を考えておきませんか。
2022年の終活 遺言・相続
(1) 成年年齢引き下げ~相続税・贈与税への影響
以前のコラムにも書いた「成年年齢引下げ」が本年2022年4月1日から施行されます。
相続税と贈与税についても引下げに伴い、20歳を基準としている規定が18歳に変更されます。
① 未成年者控除
◇ミニ知識 未成年者控除とは◇
相続人の中に未成年者がいるケースで、その未成年者に対し相続税が一定額控除される制度。
控除の額は未成年者が成人するまでの年数×10万円です。
令和4年4月1日以後に開始した相続の未成年者控除において、未成年者が成人するまでの年数が2年短くなるわけですから、控除できる金額が2年分少なくなるということです。
② 相続時精算課税制度
◇ミニ知識 相続時精算課税とは◇
原則60歳以上の父母または祖父母から、成年の子または孫に財産を贈与した場合に選択できる贈与税の制度。
成年年齢引き下げにより2年早く適用が受けられるようになります。
③ 租税特別措置法
令和4年4月1日以後に贈与により取得する財産に係る贈与税についても租税特別措置法のうち、複数項目で受贈者の年齢要件が18歳に引き下げられます。
(2) 遺産分割協議
相続人のなかに未成年者が含まれているとき、未成年者は法律行為が制限されるため、その未成年者は遺産分割協議に自身で参加できません。
【参考】現行民法 第5条1項
(未成年者の法律行為)
未成年者が法律行為をするには、その法定代理人の同意を得なければならない。ただし、単に権利を得、又は義務を免れる法律行為については、この限りでない。
親権者も同時に相続人になっているケースではその親権者と未成年者の利害が相反するため、家庭裁判所で特別代理人の選任を受ける必要がある場合もあります。
本年3月31日までは20歳未満では上記の規定から遺産分割協議に参加できませんが、
本年4月1日以降には18歳以上の相続人は遺産分割協議に自分で参加することができるようになります。
当事務所でも遺産分割協議書作成はメインの御相談内容であるため、本年は特に留意が必要です。
(3) その他 法改正の影響から
すでに施行されている改正も含め、下記の点をすでにコラムにしてきました。
・自筆証書遺言保管制度
・預金の仮払い制度
・遺産分割前の遺産の処分
・遺言執行者の権限等
・特別の寄与
現実に承る御相談ケースから実務として考えてみるとどれも手続きが複雑であったり、一般の方では解釈に誤解がある等、それほど単純なものではありません。
e.g. 遺留分の無い相続人が分割前に遺産である預金を払い出してしまった、デジタル遺産を放置していた、その他
個人的には、適切な遺言執行者を定めた公正証書遺言が最善と考えます。
必要に応じ提携税理士と協力し御相談に応じます。
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気になるエンディングは専門家に御相談ください。
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