家族/身寄りのない人の終活 後編
終活しなかったら遺産や葬儀はどうなる 相続人不存在の問題

身寄りのない人が、何も準備しないで亡くなると遺産や葬儀はどうなる

 前編に続き、身寄りがない人の終活、終活しなかった場合に遺された財産がどうなるかを書きます。

◇ミニ知識 相続人不存在とは◇
読んで字のごとく相続人が居ないことを表しますが、次のような事由があります。
1. シンプルに法定相続人が居ない
2. 法定相続人が「相続放棄」した
3. 法定相続人が「欠格事由」に該当する
4. 法定相続人を本人が「廃除」した

 前編に書いたとおり、法定相続人が居なくとも、遺言で自分の遺産をどうするか、どのような葬儀をしてほしいか、etc. を明確にしてあれば、遺贈・寄付・認知、等も自分の希望どおりになるでしょう。
遺言執行者を指定しておいて、遺言の内容を実現する実務をおこなってもらうことになります。
 しかし、何も終活をせず、相続人不存在であればその遺産は債務等の支払をした残りは、原則として国庫に帰属することになります。
身の回りで葬儀を行ってくれる方がいないときは、市町村で火葬し、埋葬することになります。
そのため、生前に御自分で希望していたような葬儀や法要の形式とは異なるでしょう。

◇ミニ知識  特別縁故者とは◇
民法 第958条の3
・被相続人(死亡した人)と生計を同じくしていた者・・・内縁の配偶者、事実上の親子など
・被相続人の療養看護に努めた者・・・業務として報酬を得ておこなっていた者は除く
・その他被相続人と特別の縁故があった者・・・例としては、先に亡くなった親族の配偶者が近隣に居住しており、日常的に被相続人の面倒を見ていた、等があります。
老人ホームや地方自治体等の法人も、生前の実態から特別縁故者として認められた例がありますが、該当の判断及び財産分与の額は裁判所が行います。

 身寄りがなくとも、一人暮らしでも、本人の望むスタイルならば生前は良いのですが、亡くなった後は自分で各種の手続きをおこなうことができません。
高齢でなくても、いつどうなるかわからないのが現実です。
財産の贈与先、寄付、お世話になった人へのお礼、葬儀やお墓のこと、ペットの世話、
御自分の希望や「立つ鳥跡を濁さず」と最期を美しくしたいお気持ち、
せめて遺言と目録を作成しておくことをお勧めします。

当事務所では公正証書遺言だけでなく、
自筆遺言の原稿~法務局の保管手続き、
延命措置を希望しない方には「尊厳死宣言書」
死後事務委任契約などの作成と手続きも承ります。

まだ考えが漠然としていて「自分にはどんな終活がいいのか、わからない」と迷っている方には、丁寧なヒアリングと専門知識による御相談も時間制で承ります。
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