フリーランス新法 施行は2024年11月1日 自分たちが小規模でも外部委託には注意

「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」令和5年法律25号

2023年5月12日公布
2024年4月12日、フリーランス法を施行するための政省令、指針、ガイドラインの案がパブリックコメントに付され5月31日に正式に制定公布されました。同法と下位法令は2024年11月1日に施行されます。

■用語の定義

フリーランス新法の第2条(定義)では、いわゆるフリーランスを「特定受託事業者」とし、次のように定義づけています。

(参考)法第2条第1項
一 個人であって、従業員を使用しないもの
二 法人であって、一の代表者以外に他の役員(理事、取締役、執行役、業務を執行する社員、監事若しくは監査役又はこれらに準ずる者をいう。第六項第二号において同じ。)がなく、かつ、従業員を使用しないもの
つまり1人事業者で、従業員も居ない事業者を指しています。
行政書士、弁護士、税理士などの士業も、従業員を使用していなければ該当するということは明確になっています。

〇委託する相手の該当性を判断するのは容易でしょうか。
法人の役員の有無は登記で確認できますが法2条1項には「準ずる者」とあります。
下記はガイドラインからの抜粋です。

(1)このような事業者は委託を受けて業務を行う形態が多く、
第3条から第5条で「下請法」と同様に委託者に対する規制(委託内容の明示、報酬支払期日、買いたたきの禁止等)と遵守事項を規定しています。

※「委託者」の定義として特定受託事業者は除かれます。

(参考)法第2条第6項
この法律において「特定業務委託事業者」とは、業務委託事業者であって、次の各号のいずれかに該当するものをいう。
一 個人であって、従業員を使用するもの
二 法人であって、二以上の役員があり、又は従業員を使用するもの

(2)業務委託とされていても
実質的には委託者の指揮命令を受けて業務を行っているケースに関しては、労働者と同じような保護と行政機関による監督が第3章において規定されています。
30日前予告義務、ハラスメント防止措置、妊娠出産育児・介護への配慮など。

■特定受託業者の定義について、従業員の有無は外観ではわかりにくく、委託する相手が対象非対象の判別は難しいようにも思えます。
現実には業務を委託する相手事業者が、“おおよそ”1人事業であればフリーランス新法を意識しておくことが現実的でしょう。
 また、委託先が定義に該当しないからといって、自社が委託元の地位を不当に利用し買いたたき等をしているようでは、信頼しあえる関係は結べません。
外部からの自社の信用、良いパートナーをつくりますます御発展ください。