遺言・相続 生命保険金の受取り
現代では若い世代でも生命保険に加入している人がほとんどです。
今回は遺言や相続に関する生命保険の受取についてのコラムです。
1.遺産に含まれない
生命保険に加入している方が亡くなって、契約で指定されている保険金受取人が受け取る場合ではその生命保険金は遺産には含まれません。
そのため相続人が複数いるケースでも、相続分で分割することにはなりません。
2.受取人が先に死亡していたら
保険契約で指定された受取人が、加入者よりも先に死亡していたときは、受取人の相続人が受け取ります。
その場合には各相続人は相続分割合ではなく、平等の割合で保険金給付請求権を取得するとなっています。
Ref. 民法427条(分割債権)
但し受取人を「相続人」としているときは、保険給付請求権の割合は法定相続分になるとされています。
3.遺言でできること
[その1]
遺言では生命保険金の受取りに限らず、予備的に同一の遺言の中で「私が死亡する前に●●が死亡しているときは、その財産は△△に相続させる。」と指定することができます。
保険金受取人についても同様に予備的な記載をしておくこともよいでしょう。
[その2]
平成20年に制定された保険法では、保険金受取人の変更を遺言でできる規定があります。
その場合は、遺言者死亡後に遺言執行者が保険会社に通知をします。
Ref. 保険法第44条・第73条(遺言による保険金受取人の変更)
上記の保険法条文は任意規定のため、保険約款で受取人変更を制限しているときは、約款が優先します。
ほかに内縁関係の相手を受取人にしたいという場合も、約款で制限されていないか、契約前に確認が必要です。
保険の約款は読む人がほとんどいないようですが、捨てずに証券と一緒に保管しておくのは必須です。
遺言作成の際に原稿作成を委任する行政書士や弁護士などの専門家に見せることでリスク回避になるでしょう。
遺産相続は意外にトラブルになるものです。
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